出典:テニスの王子様 第36巻 122-123ページ 著者:許斐剛
百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番は不二周助が白石蔵ノ介との対戦中に編み出した第五の返し球。ラケットの表面だけでなく、裏面まで使ってボールを滑らせて二乗の超回転を与えることで、相手の打球はネットを越えることなく失速してしまう。
当初はこの技をファイナルカウンターとしていたが、決勝戦、立会大付属の仁王との試合では第五の返し球(フィフスカウンター)とし、さらに上へ行く意思表示とした。
技データ
- 球威
- 使い勝手
- 回転量
- 決定力
どう考えても回転過多になってしまっているはずで、白石も初見で「軌道は丸見えや」と言っている。おそらくだが、スピードや単純な威力は並みの打球以下だろう。
5-0から5-6のマッチポイントに逆転されるまで試行錯誤を重ねた白石が打たれ続けてしまったことからも、つばめ返しのように発動条件が限られているわけではなく、いかなる場面でも使用可能だと考えられる。
さらにこれだけの回転をかけているにもかかわらず、手塚ゾーンや手塚ファントム、零式サーブのように身体への負担があるわけでもない。強いて言えば、万一返されてしまったときはコードボール(ネットイン)になることくらいだろう。
スピンどころかスライスもロブも返らなかったことから、回転量は作中トップクラスであることに疑いの余地はないだろう。正確な予測と精密な回転量の調整ができれば手塚ゾーンも使えるようになりそうだ。
ほぼ確実に相手のボールがネットを越えなくなる魔法のようなショット。最終的には白石に返されてしまったことから1点減点したが、それでもギリギリのネットインだった。
テニス経験者から見た 百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番
低く滑るスライスは打点を上げられないためネットを越えづらいショットではあるが、ボールを浮かせてしまってもいいのであれば割と簡単に返せるため、全く返球できないともなると現実離れしすぎている。
個人的には、百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番を返そうとする白石が「奴の回転を打ち消す回転をかけるんや……」と言いながらも、ひたすらトップスピン(かえって回転を強めてしまう)のフォームで打っていたため笑ってしまったシーンではある。