出典:テニスの王子様 第26巻 98-99ページ 著者:許斐剛
無我の境地は頭で考えて動くのではなく身体が実際に体験した記憶などを含め無意識に反応してしまう、己の限界を超えた者のみが辿り着ける境地。発動とともに体をオーラが包み込み反応速度や筋力などが実力以上に上昇するとともに、プレースタイルが不規則に変化し今まで対戦したプレーヤーの技を状況に応じて使用する。
作中最初の使用者は越前リョーマで切原赤也との野試合で追い込まれた際に無意識に発動。最近までアメリカに住んでいたためか自然と英語で話し出したが苦手科目が英語の赤也にはさっぱり理解できなかった。
その後関東大会決勝のシングルス2不二との試合で赤也が覚醒。シングルス1の真田対越前の試合で真田の口から無我の境地という名称やその性質について明らかになるとともに異常な体力消費という副産物についても明らかになった。
技データ
- 球威
- 使い勝手
- 回転量
- 決定力
発動中は身体能力そのものがアップするため球威も実力以上にアップする。無我の境地を使いこなし始めたリョーマはこの性質を活かして一瞬だけ無我の境地の状態になることで真田の「火」や田仁志慧のビッグバンを返球していた。
瞬間的に使用できるほど使いこなせば体力の消費も抑えられるが、そうでない場合は試合序盤で体力を使い切ってしまう恐れがある。それ以前に無意識に発動してしまう場合もあるため扱いが難しい。
使用する技によって異なるが使い手の実力以上の能力が発揮されるため選択の余地が広がる。
無我の境地発動中は今まで戦った相手の技を次々と繰り出しプレースタイルが不規則に変化するためもともとの実力が拮抗した相手であれば防戦一方となる。さらに戦ったことのある相手が強ければ強いほど強力な技を繰り出せるが本人とかけ離れた筋力を必要とする技は再現しきれない。
テニス経験者から見た 無我の境地
急に覚醒し体からオーラがほとばしる描写を見て「ついにスーパーサイヤ人になってしまったか」と思った読者は少なくない。しかしスポーツの世界では理想的な集中状態に入ることをゾーンと呼ぶことがあり、それを少年漫画的に表現したのが無我の境地なのではないだろうか。
とはいえその後の3つの扉についてはオーラが比喩表現ではなく実際に存在している前提で描かれているため、ゾーンというよりはもはやハンターハンターの念能力に近いかもしれないが。