出典:テニスの王子様 第10巻 122-123ページ 著者:許斐剛
三種の返し球(トリプルカウンター)は青春学園の天才・不二周助の代名詞とも言える必殺技。つばめ返し、羆落とし、白鯨の三種類の技の総称で、いずれも相手の攻撃やアクションに対するカウンターショットとなっている。
全国大会では徐々に通用しなくなってきたため、三種の返し球(トリプルカウンター)に次ぐ第四の返し球、蜉蝣包み(かげろうづつみ)を編み出し、四天宝寺中の白石戦では従来の3つのカウンターショットを全て一新した。
従来の三種の返し球(トリプルカウンター)
つばめ返し
相手のトップスピンに対して超スライスをかけることによって、より強力なスライス回転のかかった跳ねない打球を返す。無回転の打球に対しても自分のガットの上を滑らせて自ら回転を作り出すことで使用可能だが、その場合は若干バウンドしてしまう。
羆落とし
相手のスマッシュをノーバウンドでダイレクトに打ち返すことで、スマッシュ直後で体制の崩れた相手の頭上を抜くロブショット。
テニスで最も打ち返すまでに時間がないスマッシュをノーバウンドで返すには、超人的な予測(読み)と尋常ならざる反応速度、加えて瞬間移動並みのフットワークが必要なはずだが、そこには触れられていない。
白鯨
逆風を利用したショット。超スライス回転をかけた打球が急激にホップした後落下し、強烈なバックスピンと風によって自分のコートまで戻ってくるというメルヘンショット。
明かされている条件は逆風のみなので何に対するカウンターなのかいまいちハッキリしないが、相手がネットに出てきた際に使用することが多く、急激なホップによってアウトを確信した相手はノーバウンドで返せる打球を見逃してしまう。
新たな三種の返し球(トリプルカウンター)
鳳凰返し
つばめ返しを進化させた新たなカウンターショット。つばめ返し同様跳ねないショットだが、どういう原理かつばめ返しよりも手前で急激に落ちるため、返球がさらに難しくなっている。
麒麟落とし
羆落としがパワーショットで強引に破られることが多くなってきたため、両手打ちにすることでパワー不足を解消した技。片手では破られていたガットも何故か破れなくなっている。ガットの方もポリガット当たりに変更したのだろうか。
白龍
白鯨の進化版。バウンド後ボールが自陣に戻ってくることが売りだった白鯨だが、冷静な白石にはボールが戻ってきたところを普通に返されてしまったため、今度は違う方向にバウンドするようにした。
テニス経験者から見た
三種の返し球(トリプルカウンター)
トップスピンを打てば跳ねない打球を返され、スマッシュまでこぎつけても一球のもと逆転される。一つ一つの技も強力だが、これら全てを自在に使ってゲームを組み立てる不二にはつけいる隙が見当たらない。
メタ的な視点で見ると、全く跳ねない打球は不可能だがほとんど跳ねない打球は可能、まともにテニスができないほどの逆風なら自陣にボールが戻ってくることは可能(経験済み)など、できそうでできないギリギリの境界線の技となっている。
個人的にはこの辺りがジャンプ漫画であることも踏まえて丁度いいテニヌ具合なのではないかと思う。